ドバイに法人を設立する方法と費用
このページでは主にドバイにはどのような法人の種類があり、どうやって設立するのか。費用はいくらくらいかかるのかなどを説明します。
ドバイおよびUAE法人の種類
ドバイで仕事をするために必要な法人は、大きく分けてローカル法人(メインランド法人)とフリーゾーン法人の2種類存在します。
ローカル法人(メインランド法人)
一般のドバイ首長国の国内法人です。日本でいう普通の株式会社みたいなものです。ドバイ国内でビジネスをするのに適した法人格です。
フリーゾーン法人
フリーゾーンというのは日本でいう保税区+経済特区のようなイメージです。貿易をする上でフリーゾーン内で商品を扱う分にはVAT(付加価値税)などが課税されないという特徴があります。貿易に特にメリットのある法人格です。
それぞれの特徴
ここではそれぞれの法人がどのように異なるのかを中心にまとめてみます。ただこの表だけだと内容がわかりにくいので順次下に解説を加えていきます。
ドバイメインランド法人 | フリーゾーン法人 | |
所在地/登記住所 | ドバイ | ドバイもしくは 他の首長国 |
法人税 | 0-9% | 条件を満たせば0% |
ライセンス費用 | 高め | 低価格〜普通 |
事業ライセンス | 基本的に全て | フリーゾーンごとに異なる |
適した使い方 | 海外貿易業務以外全て | 海外貿易業務が特に得意 |
対外的な信用度 | 高め | フリーゾーンごとに異なる |
ビザの取得 | 簡単 | 簡単 |
外国資本 | 100%可能 | 100%可能 |
資本金 | 自由 | 自由 |
銀行口座開設難易度 | やや簡単 | 普通 |
所在地と登記住所
ローカル法人はドバイ首長国内に住所を置くことになります。ドバイ内のオフィスもしくは私書箱が本店所在地になるケースが多いかと思います。
一方フリーゾーンはドバイ国内はもちろん、UAEの他の首長国にそれぞれ点在しています。現在フリーゾーンは合計で50ほどあると言われています。フリーゾーン法人の本店所在地はそれぞれのフリーゾーン内のヴァーチャルオフィスになります。一方、実務的なオフィスはどこにおいても構いませんので、ドバイ国内もしくは海外に置くことも問題ありません。
法人税
長らく0%だった法人税も2023年6月1日よりAED375,000以上の利益に関しては9%の所得税が課されることとなりました。AED375,000以下の利益に関しては税率0%で課税されません。
またローカルとビジネスをしないフリーゾーン法人は非課税が継続するようです。
ライセンス費用
UAEでは法人税が0-9%である代わりに、全ての事業がライセンス制になっており、ライセンスを取得しないとビジネスが行えないことになっています。このライセンス費用は年ごとの更新で1年あたり数十万円以上するケースがほとんどです。事実上の固定制の税金といった感じです。
このライセンス料はそれぞれのビジネスの内容、また法人登記の場所によって大きく異なります。
一般的にドバイローカル法人のライセンス料はフリーゾーンと比べ高い傾向にあります。フリーゾーンのライセンス料もさまざまで、有名で人気のあるフリーゾーンのライセンス料は総じて高い傾向にあります。一方、新興フリーゾーンは新規の法人顧客を呼び込むためにライセンス料を引き下げている傾向があります。
事業ライセンス
事業ライセンスはローカル法人の場合は1000近い細分化された事業ライセンス群から必要なライセンスを取得する必要があります。
フリーゾーンの法人もそれぞれのフリーゾーンが作成した数百のライセンスリストから適したものを選ぶ必要があります。
ただそれぞれのフリーゾーンごとに得意・不得意があります。インターネット系のビジネスに強いフリーゾーン、貿易業務に強いフリーゾーン、仮想通貨を取り扱うことのできるフリーゾーンなど用途に合わせて選択してゆく必要があります。
適した使い方、使い分け
ローカル法人は保税区以外においてほぼ全ての業務をこなすことができます。フリーゾーン法人は保税区を利用した貿易が得意です。逆にフリーゾーン法人はローカル法人やUAE市民を相手にした商売はできません。したがってUAE国内市場をターゲットにしたビジネスを考えている場合は迷わずローカル法人を選択することになります。
対外的な信用度・ブランド力
2021年までメインランド法人(ローカル法人)は外国人の100%の資本で作ることができませんでした。従ってメインランド法人(ローカル法人)に対して安心感を抱く人が多いようです。
一方フリーゾーン法人は大企業からペーパーカンパニーまで玉石混合状態ですので、ローカル法人よりは少し安心感という面では劣るかもしれません。(ただこれも実際はフリーゾーンによりけりです)
今後はローカル法人も玉石混合状態になってゆきますので、ローカル法人とフリーゾーン法人のブランド力の差も無くなってゆくと思われます。
ビザの取得に関して
ビザの取得に関してはいずれの法人でも容易に取得可能です。UAEは事業家の受け入れに関して積極的です。
外国資本比率
2021年に外資規制が撤廃されたため、ローカル法人(メインランド法人)※、フリーゾーン法人ともに外資100%で設立可能です。 ※首長国毎に一部制限が残っています
資本金
資本金の額に関しては自由です。ただし、あまりにも資本金が低いと銀行口座開設の際、問題視されますので相当の額の設定が必要となります。
銀行口座開設の難易度
先程の対外的な信用度・ブランド力の場面で書いた通り、2021年まではローカル法人は国内出資が大半でないと設立できませんでした。従っていまだにローカル法人=安心、フリーゾーン法人=ペーパーカンパニーというイメージが一部では残っています。
ただ本質的には、銀行は個別の法人をきちんと審査しますので、一概にフリーゾーンだからダメだということは決してありません。ビジネスモデルがしっかりしていて、実体を持った事業をされる分にはフリーゾーンもメインランドも同じです。
ドバイ法人・フリーゾーン法人設立の手順
ここではドバイ法人設立の流れと必要となる日数、必要書類などを記しました。
日数に関してはあくまでも目安とお考えください。
STEP1. 弊社へのお問い合わせ
まずは御社がドバイで行いたいビジネスを弊社までメールでお知らせください。
STEP2. メールにて無料コンサルティング
御社の行いたいビジネスに合わせたライセンス、法人登記場所をお探しします。
STEP3. 見積もりとお支払い
お見積もりに納得いただけましたら50%の前金をお支払いください。
STEP4. 法人登記申請
法人登記に必要となる書類は以下の通りです。
- 代表者・株主全員のパスポート
- 代表者・株主の略歴
- 簡単なビジネスプラン
- 居住地を示すもの
- 会社の名称候補3つ
- その他必要があれば
それらの書類を当社経由で各登記管轄部署に送ります。その後、オンラインでZoom面談とサインを行います。面談は2分ほどで終了します。法人登記の申請から登記完了までは5-7営業日ほどかかります。
STEP5. 法人登記完了
法人登記が完了すると、以下の書類がデジタルデータで届きます。このデータを持ってドバイに入国します。
- Certificate of registration(法人登録証明書)
- License(法人のライセンス許可証)
- Articles of Association(定款)
- Shareholders Resolution(株主決議)
- Terms of Services(法人運営の利用規約)
- Contract of Employment(雇用契約書)
またこのタイミングで残り50%の代金をお支払いください。
STEP6. ビザ申請
法人設立の書類が送られてきたらすぐにビザとEIDの取得に向けて準備をします。
Visa Medical Center in Dubaiに行き、健康診断を受けます。(検査時間約1時間)
その後2週間ほど待ちます。
STEP7. ビザとEIDを取得
移民局に行き、ビザ&EIDを受け取ります。次に銀行にアポイントメントを入れます。
銀行から必要書類を指定されますので準備します。
STEP8. 銀行口座開設
弊社経由で銀行員から以下のような書類提出を求められます。
- 代表者のパスポート・エミレーツIDカード・ビザ
- 取締役のパスポート・エミレーツIDカード・ビザ(代表者と異なる場合)
- 事務所の契約書
- 代表者の住居契約書
- 口座の使用目的を記した書類
- 資金源を証明する書類
- 既に確定している契約の一覧
- ビジネスパートナーからの紹介状
- 事業計画書
- その他法人に関わる法定文書など
以上で全てのプロセスを完了します!お疲れ様でした!
法人設立費用に関して
費用は大きく分けて ライセンス費用、オフィス費用、サポート+エージェント費用、ビザ費用に分けられます。
ライセンス料
ドバイローカル法人の場合・・・AED15,000/年〜
フリーゾーンの場合・・・AED12,000/年〜
オフィス費用
ローカル法人の場合・・・初年度AED10,000〜 (2年目から下がる可能性があります。)
フリーゾーンの場合・・・多くのFZはライセンスとパッケージになっています。
サポート+エージェント費用
ローカル法人、フリーゾーン法人ともに AED5,000/年〜
総額の参考価格
かなりざっくりですが、日本円にするとこの程度の金額になります。なお新興フリーゾーンは基本的に価格は安く、有名フリーゾーンやローカル法人は金額が高めになります。
- 初期費用:約100万〜200万円
- 2年目以降:約80万〜120万円 となります
お見積り希望の際、価格重視もしくはロケーション重視など希望があればお伝えください。
当社JPサポートの強み
数あるドバイ法人代行業社にもそれぞれ特徴があると思います。ここでは当社の特徴について触れてみたいと思います。
銀行口座開設率100%
当社の一番の強みは銀行、銀行員との強固な関係にあります。それにより現在の銀行審査の動向などをいち早く知り、対策を立てることができます。また人間関係もドバイ社会において非常に重要です。
結果として今日まで当社でUAE法人を作られて、銀行口座開設ができなかったケースはありません。
多様な経験をもとにアドバイス
当社コンサルタントは、IT関連や医療関連、仮想通貨などたくさんのビジネスに直に携わった経験があり、実践的なアドバイスをすることができます。また弁護士や国際会計士など多様なプロフェッショナルとの関係があり、いつでも最適解にアクセス可能です。単純に法人を作って終わりではありません。
以上になります。法人設立に関するお問い合わせは下記からお願い致します。